大手飲食も参入! 「サードウェーブコーヒー」って何だ?【調理食品・加工食品コンサルタント日記】
スターバックスのようなシアトル系カフェ以上に高価格帯のアメリカンスタイルのカフェを、
サードウェーブコーヒー・・と呼ぶんですね。
アメリカの場合、ファーストフード→シアトル系カフェ→サードウェーブコーヒーという流れなので、
この呼称なのだろうと感じます。
おそらく、日本における珈琲喫茶のようなところだと思われますが、
喫茶店→ファーストフード→シアトル系カフェという流れがあるだけに、
原点回帰に近い流れのように感じられますね。
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大手飲食も参入! 「サードウェーブコーヒー」って何だ?
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130410-00000003-trendy-life
スターバックスコーヒーに代表される「シアトル系」に続く新しいコーヒー・カルチャー「サードウェーブ」が米国で生まれ、日本にも広まりつつある。
サードウェーブコーヒーは個人経営の小規模な専門店が中心だったが、ここに来て大手飲食企業も続々と参入。ロイヤルグループで「シズラー」「シェーキーズ」などを展開するアールアンドケーフードサービスは2013年3月7日、サードウェーブ・スタイルを取り入れた新しいコーヒーショップ「Standard Coffee(スタンダードコーヒー)」をオープン。3月21日にはユーシーシーフードサービスシステムズが新業態「東京ロビー」をオープンした。
そもそもサードウェーブとはどんな“波”なのか。これまでのコーヒーと何が異なるのか。
第一、第二の「波」はいつだった?
アールアンドケーフードサービスの梅野直二社長によるとサードウェーブ以前、米国では2回のコーヒーブームがあったという。その1回目(ファーストウェーブ)が起こったのが19世紀後半。コーヒーの大量生産が可能になり、一般家庭や職場でもコーヒーが飲まれるようになって、浅煎りのアメリカンコーヒーが大量に生産・消費された。
そうした状況への反発からか、1960~90年代に“深煎りムーブメント”が起きる。71年にスターバックスが開業し、タリーズなど「シアトル系コーヒーチェーン」がエスプレッソコーヒーにミルクを合わせる「カフェラテ」を武器に世界を席巻。これが「セカンドウェーブ」だ。
サードウェーブは90年代後半から起こった動き。豆の産地を重視し、豆の個性を最大限に引き出す淹れ方を追求する新しいコーヒーカルチャーだ。これまでのコーヒーの銘柄は国単位で表示されているものが多く、いくつかの農園で生産されているコーヒー豆がブレンドされているのが普通だった。それに対し、サードウェーブで重視しているのが単1種の苗木から収穫されたコーヒー豆だけを使用する「シングルオリジン」であること。ブドウの生産地によってワインの味わいが変わるように、コーヒーも栽培品種・生産方法によって味わいが異なる。「ブレンドせずに単一のコーヒー豆を使うことで、ワインのように品種や土地の風土などの個性をダイレクトに味わえるのが、シングルオリジンコーヒーの魅力」(梅野社長)という。
また世界最大のコーヒー取引業の団体SCAA(Specialty Coffee Association of America/米国スペシャルティコーヒー協会)によるコーヒーの格付けの新基準が運用され、品質の高い「スペシャルティコーヒー」の人気が高まるなど、世界的にコーヒーの楽しみ方に大きな変化が起こっていることも、新たなコーヒーカルチャー誕生の背景にある。
田代珈琲(大阪府東大阪市)の業務用コーヒー販売部門が運営するウェブサイト「大阪スペシャルティコーヒー倶楽部」によると、「スペシャルティコーヒー」という概念が誕生する以前、コーヒー生産国では欠点豆の有無をチェックするネガティブ評価のみで、「おいしさ」などのポジティブな観点での評価は行われていなかった。しかしスペシャルティコーヒーという概念の出現以降、味のキャラクターをつかむポジティブ評価が行われるようになった。欠点豆がないうえに高い段階での評価が求められるようになり、消費者・生産者双方に意識の改革が求められるようになったのだという。
これまでのコーヒーは“ブラックボックス”だった!?
スタンダードコーヒーで提供しているコーヒーの豆は全て、トレーサビリティーが生産農家まで明確なシングルオリジンコーヒー。「指定した農園から年間使用する量を確保している」(梅野氏)と胸を張る。「これまでのコーヒーは誰が買い付け、どのようにブレンドされているのかが消費者には分かりにくかった。そんなブラックボックス的だったコーヒーの流通経路を透明にしたいと考えたのが、シングルオリジン。安心で上質な“生産者の顔が見えるコーヒー”」(梅野氏)という。
シングルオリジンコーヒーにロイヤルグループが1951年の創業以来培ってきたベーカリー・ペストリーの技術とファッション、音楽を融合させ、「日本の喫茶文化の新しいスタンダードを創り出していきたい」という。
そのためコーヒー豆だけでなく、店の雰囲気づくりにもこだわっている。一杯一杯ハンドドリップするため、混みあう時間帯には10分程度待つこともある。待っている間もドリッピングする風景を眺めながら、くつろげる空間づくりを考えた。BGMは専門会社に、店内の雰囲気やターゲットの客層に合わせて400曲を選曲してもらい、毎月100曲を入れ替える予定だ。
実際店内で「ハンドドリップ待ち」をしている人もいたが、ドリップの様子を興味深そうに眺め、スタッフに質問したりと雰囲気はいい。オフィスビルの地下という立地のせいか、魔法瓶を持参して買い求める人の姿もあった。
また同社が展開する「カフェクロワッサン」ではアルコール類を提供していなかったが、スタンダードコーヒーでも同じスタイルにした場合、夜の時間帯の売り上げが厳しくなることが予想された。そこでスタンダードコーヒーではビールやワインなども提供し、7時半から21時までの全時間帯で使える店を目指している(土・日・祝日は定休)。現在の平均的な客単価は500円程度。今後はフードのクオリティを上げるなどして満足度を高めていく。1カ月の売り上げ目標は600 万円。2017年末までの5年間に全国で50店舗体制を目指す。
同じ豆でも淹れ方による味の変化を提案
豆の産地を重視するのと同時に、豆の個性を最大限に引き出す淹れ方を追求しているのも、サードウェーブの特徴だ。ユーシーシーフードサービスシステムズが運営する「東京ロビー」では、コーヒー豆の産地を選べるだけでなく、ハンドドリップ、コーヒープレス、水出しコーヒー(アイスのみ)の3つの抽出スタイルが選べる。
ハンドドリップはペーパーフィルターで雑味が取り除かれるのですっきりした滑らかな舌触りで、バランスの良い味わいに。コーヒープレスは目の粗めのメッシュフィルターでこすため、コーヒー豆のうまみや香りだけでなく豆の油分(コーヒーオイル)も抽出でき、コーヒーそのものの甘み、濃厚な口当たりと香ばしさが味わえる。水出しはコーヒー豆に熱の刺激を与えずじっくりと抽出するので、クセの少ないクリアな味わいが楽しめる。
実際にハンドドリップ、コーヒープレスを飲み比べてみたが、同じ豆とは思えないほど風味が異なるのに驚いた。コーヒープレスは見た目にも濃く濁りがあり苦そうだが、飲んでみると苦味はそれほど感じられず、香りの高さや甘味を強く感じる。コーヒーは好きだけどスターバックスのコーヒーは苦みが強くてストレートでは飲めない家人が、「このコーヒーは濃いけどそのままおいしく飲める」と驚いていた。同じ豆でもハンドドリップは、くせがなく飲みやすい。コーヒープレスの後ではやや物足りなく感じるが、これは好みの問題だろう。
「これまでのコーヒー店では、コーヒー豆による味の違いを比べることはできても、抽出法による味の比較をすることはなかなかできなかった。同じ豆を異なった抽出方法で味わうというコーヒーの新しい楽しみ方を提案したい」(ユーシーシーフードサービスシステムズ フルサービス事業本部担当者)
コーヒー風味のカクテルも提案
同店は7~17時はカフェ、17~23時(休日は~22時)はバーとして営業する“二毛作”スタイルで展開する。夜はアルコールでコーヒーの新しい楽しみ方を提案している。なかでもブルーマウンテンNo.1コーヒー豆を漬け込んだリカーを使用したオリジナルカクテルが人気だという。
コーヒー豆を漬け込んだジンとオレンジピールの香りが爽やかな「L.ICジントニック」(750円)、コーヒー豆を漬け込んだウォッカ、カルーア、コーヒー豆などを使用した「TOKYO SONIC No.5(COFFEE)1933」(750円)など、多彩なメニューを用意している。若い層が気軽に使える価格設定にしているという。
同社は「上島珈琲店」「珈琲館」を中心に約650店舗を運営しているが、店舗数が最も多い珈琲館の利用者の平均年齢は50代以上と高めになっている。東京ロビーは若い世代にも活用してもらうことを狙ったコンセプトショップであり、ここで展開した新しいノウハウを既存店に生かしていきたいという。
ターゲットは、丸の内のオフィスワーカーと東京駅を利用する旅行者。「新しい飲み方を提案することで、コーヒーショップの新たな顧客層を掘り起こしたい」(担当者)という。
ニューウェーブというよりむしろ“昭和回帰”?
スターバックスをはじめとするシアトル系コーヒーが主流になり、豆の種類よりもトッピングやミックスなどのバリエーションを楽しむスタイルが定着した。しかし昭和の時代、日本には独特の喫茶店文化があり、もともと豆本来の味にこだわる土壌があった。コーヒーがスイーツ化する風潮に抵抗を感じていた人にとって、豆本来の個性を尊重するサードウェーブのスタイルは新鮮というより懐かしく感じられるかもしれない。
またコーヒー市場全体が伸びているなか、家庭用コーヒーの市場で特に伸びているのが、1~2人世帯向けのレギュラーコーヒーやスティックタイプのインスタントコーヒー、一杯抽出型コーヒーマシンなどといった“一杯抽出市場”だという。
家庭用コーヒーも、コンビニ、ファストフードで提供するレギュラーコーヒーも、味がどんどんレベルアップしている。コーヒー専門店に行かなくても、低価格で質の高いコーヒーを十分味わえる時代になっているのだ。
豆の素性や淹れ方など、質の高さにこだわったサードウェーブ・スタイルの流行は、低価格コーヒーとの差異化を図りたい飲食店にとってはビッグチャンスといえるだろう。
(文/桑原恵美子)
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